余命宣告を受けた方の心のケア

高齢化社会になり男女共に長生きをする時代

になりました。大変素晴らしい事ですね。

しかし、人間はいつかはこの世を去ります。

厚生労働省、人口動態調査が発表した

死亡率1位は「がん」悪性新生物です。

日本人の3人の一人が、癌になる状況。

身近な家族が癌に罹る事も特別な事では

ありませんね。

 

余命宣告を受けたご本人は、

不安、恐怖など耐え難い心の苦痛を

感じている事と思います。

そのような状況になった時、

残された家族は何ができるでしょうか?

心のケアはどこまで可能でしょうか?

例を挙げて考えてみたいと思います。

医療従事者として何か参考になればと

思い書かせていただきます。

 

例)

70代女性Kさん。

夫を2年前癌で亡くし一人暮らし。

夫との死別が辛く時々涙が出る状況。

1年前、

大腸癌が発覚し摘出術を受けたのですが、

癌は転移し末期で、余命3か月と告知され

本人も知っています。

30歳の一人娘が時々孫とお見舞いに来ています。

 

Kさんは、

病気による身体の痛み、

治療に対する苦痛と不安、

余命を告知され死に対する恐怖、

残していく娘家族の事、

そして何よりも

今後の不安など色々な複雑な感情が

入り混じり全てが交互に表れる状態

ではないでしょうか。

 

夫が病死し悲しみが癒えない状況での

余命告知は、身体的にも精神的に辛い

状況であると思います。

まず、Aさんの心情、体調を考慮し

穏やかで温かな対話ができるような

雰囲気作りが大切だと思います。

 

癌末期は日々体調に変化がある為、

心身に負担がかからないよう配慮しながら、

笑顔で優しく寄り添い、

傾聴する態度で臨みたいのもです。

対話は、

Kさんの目線に立ちゆっくり時間をかけ、

「お体の具合はどうですか。」と寄り添い、

娘家族や趣味の話などAさんが話したい

内容を傾聴したいと思います。

声の大きさは十分配慮し穏やかな

優しい相槌を心がける。

会話の内容は「~なのですね」

と受容し伝え返す。

感情で辛い気持ち、又涙を流された時は、

「お辛いですね」と気持ちに少しでも

寄り添えるようにも努力する必要が

あるのではないでしょうか。

 

「沈黙」は大切な時間と受け止め、

可能であれば優しく手を握り、

痛みの状態を確認しながら

優しく背中をさする事も良いでしょう。

身体の痛み等は顔の表情などで察し、

必要であれば医師・看護師に報告し

kさんの体調にも心を配る事も大切だと思います。

 

このように

kさんが可能な限り最後まで穏やかに

過ごせるように、感情の動きも表面的

ではなく深いところで受容、共感し、

安心感が持てるような対話に心掛け

たいものです。

周りにいるご家族、知人の方々のお気持ちは

言葉で表現できないくらい辛いものです。

 

このような状況で冷静に対応する事は

とても難しい事かもしれません。

何か少しでも参考になればと思い、

書かせていただきました。

 

高齢化社会になり、身近な家族が

癌に罹る事も特別な事ではありませんね。

みなさんはどのようにお考えでしょうか。

残されたご家族の方の心のケアも

とても大切な事だと考えています。

 

福岡県北九州市門司区

悩み相談/カウンセリングオフィス/

https://hitoikiclub.com/

Follow me!