傾聴の素晴らしさ 

【ララ2歳10か月 山口下関市 千畳敷にて】

ある総合病院に勤務していた時の出来事です。

健康診断に来院された20歳代の青年の採血を

しました。

就活の為、疲れが溜まって家族から健康診断を

勧められたとの事。

身長は高く、スポーツマンタイプの大学生。

受け答えもハッキリしている好青年です。

笑顔で私に「お願いします」と・・。

すると5秒・・ほんの数秒だったと思います。

採血の途中、しかも数秒間で意識不明の状態に

なりました。

私は「○○さん、大丈夫ですか!。○○さん、

大きく深呼吸してください。はい、大きく吸って。

吐いて~。」と即座に深呼吸を何度も促しました。

彼の耳に届いたようで私の言葉の後を追うように

深呼吸を一生懸命にしているようでした。

私は、ストレッチャーで集中治療室へ運ばれる

青年の耳元で、呼吸法を何度も何度も促しました。

その後、救急処置を受け30分後には意識が回復

しました。

私の処置の操作は勿論ですが、青年の採血前の顔色、

一般状態は良好で何一つ問題がないように思え

ました。

その後、医師は“迷走神経反射”で気を失ったの

ではないかと判断しました。

私が担当だったということもあり、とても気に

なり納得も行きません。

私は意識が戻った青年と母親に話を聴くことに

しました。

「今までに変わった事はなかったのか、

体調不良等について」など。

しかし、お母様からの返事は「今まで一度もな

かった」と。

その後、医師は「迷走神経反射で若い方によく

ある事です。状態がよくなれば帰ってもよい。」

とご家族に説明をしました。

私は何かあるのではないかと・・。

諦めず二人に何気なくゆっくり静かに話しかけ

ました。お母様の返事は「今まで何一つ悪かっ

た事はない。こんな事初めてです」と同じ答え

が返ってきました。

そして、傾聴を始めて30分、いや40分くらい

たった頃でしょうか。

青年の体調も完全に回復し家に帰る準備をしよう

としていた時・・。

本人から、

「あっ、俺、中一の時、朝一度だけ教室で倒れた

事がある。先生がタクシー呼んで、そのまま病院

に行った。」と話し始めました。

「診察の後、どうしたのですか?」と私。

「何も異常ないから貧血でしょうって言われて、

またタクシーに乗り先生と学校に戻った」と。

もちろん、お母さんは「そんな事あったかしら・」

と全く覚えていません。

私はとても重要な情報であると考え、直ぐに

ドクター報告を行いました。

医師は直ぐに心電図の再検査の支持を出されました。

その結果、

ブルガタ症候群(失神を起こしたり、時に突然死に

もつながると考えられている原因不明の心臓病です)

と診断されました。

青年はそのまま専門病院に転院され手術となり

適切な治療を受ける事が出来ました。

今回はたまたま病院でその症状が出て

青年の持病が発覚したことになります。

実際、医療現場では質問形式で患者様にいろいろな

事をお聴きします。

看護業務を行う中、傾聴する時間を作る事はとても

難しい事です。

しかし、傾聴は、患者様の心のケアに繋がる事は

勿論の事ですが、今後の医師の治療方針に役立つ

内容(重要情報)を得る事ができます。

医療従事者であれば、どのような状況であっても

傾聴の知識を得て余裕ある態度で臨む事は可能です。

看護師は特に心身のケアを行う中で、傾聴はとても

大切な看護技術の一つではないかと思います。

そして、医療従事者にとっても、とても重要な

知識であり必要な技術であると考ています。

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福岡県北九州市門司区

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